社長  閔 南淑のブログ ・ 温エネルギー記

2013.06.18

農業生物資源研究所及び物質・材料研究機構 独立行政法人 見学で学ぶ

2013.4.24

15年程続く根の会の友人達で、この度の幹事のご配慮を頂き、上記の見学で最先端分野を学ぶことができました。

まずは、農業生物資源研究所 ( NIAS ) 農業分野の生命科学・バイオテクノロジー研究機関

農業生物先端ゲノム (生命の設計図 )研究センター

遺伝子組換え研究センター

遺伝子資源センター

植物科学研究領域

昆虫科学研究領域

動物科学研究領域   について

1時間30分の講義を受け、同研究所での日本国の底力に触れ、諸全般に及ぶ生成発展段階をわずかな時間で多少直観できる日となりました。言葉になりませんが、私達に進化発展する遺伝情報と重ね合わせ、農産物、植物、昆虫、動物達の営みで私達が生かされている側面に胸うたれる思いでした。

それも、品質改良や遺伝子組換えの繰り返しによって…。我が社の取引先団体は、遺伝子組換えを反対する団体が多く、我が社もずっと反対に署名してきたのですが、この度の見学で組み換える意味について多少理解を得る場面となりました。

たとえば、キャベツ、じゃがいも、レタス、トマト…の原種が山間で生殖している折、先人達がそれらを食べ、命を落とした人もいらしたという。人々が長い間、試行錯誤の中、今日のように食べやすく、栄養価のある野菜に品種改良を絶え間なくしてきて、今もなさっている努力には頭が下がる思いがしました。

稲も数え切れない程 ( 約3万点未歴情報あり )の品種を改良し、今日のような美味しいご飯を、私達が口にすることとなった背景にもふれました。それは、交配によるもので。又、それらはジーンバンクに保管され、全体でおよそ21万種が保存されていると。世界では約30万種程、保存していると。

驚いたのは、放射線の利用で、コバルトからの放射線を植物に照射し、人為的に変異を作りだし、有用な形質の植物を探し育てる仕組みには大きな発見でした。又、放射線のY線( ガンマ線 )の利用もあることを知り、原発事故で不安な情報が多い中、彼らにお世話になっていることに再度気付かされ、有難く思ったのでした。

ちなみに、実質的に私達が食べているものは、全て放射能をもっています。とくにバナナはちょっと放射能が強いです。それは、栄養源であるカリウムを多く含んでいるからです。世界でもっとも美しい元素図鑑カリウム53Pより。

カリウムは体内で神経伝達を担う重要な元素。体内でカリウム濃度が低すぎると、指先がこわばりはじめ、それが心臓にまで達したら、死んでしまいます。すぐに治療が出来ない場合はバナナを食べましょう。カリウムは、身体の中身が上手く動き続けるようにしてくれます。一方、身体の形を保つのがカルシウムです。

ご興味のある方は、http://www.nias.aFFrc.go.jp/ を訪ねてみて下さい。本当に面白い場面に必ず出会うと思います。私は、神秘的なカイコの生態にふれ、神と自然が、御自らを示す如くを感じました。又、蜂達が道なき道をいって働き、我家( 巣 )に戻るのと同じ真理が、我ら人間にも見事に植え付けられていることを再認識する機会となりました。

物質・材料研究機構( NIMS )を訪ねて

ものの研究所。地球上の宇宙まで含めた全てのものの研究所 国の機構であらゆるものの性質、性格、耐久性を研究し実用化、産業を起す根幹の物質を長い年月で実験を反復し…もの化したものが、私達がお世話になっているあらゆるものです。・・・と。

私達の世界は、全て92個の元素の組み合わせできている。地球も宇宙も私達の体も酸素や炭素や窒素といった元素が複雑に結びつきあって成り立っているのです。私は、彼らをもっと知りたいと思い、世界で一番美しい元素図鑑の本を購入し理解しようとしました。

92個の元素は、どれも中心に原子核があって、その周りをいくつかの電子が回っているという構造になっていて、原子核の重さの違いと、電子の数の違いによって種類が分かれています。

面白いことに、物質の性質が周期的に変化する法則( 周期律 )は、性質が似た元素が同じ列にくることでした。…人間も同じ傾向を好むのは、この性質かと思いました。現在では93番~113番迄の元素は人工的につくられ、これは自然界にはなく、存在時間がとても短いものが多いそうです。

そこで宇宙の元素は、71%が水素 ヘリウム27% 残り2%がほかの元素。地球は表面の地殻、約半分は酸素、4分の1がケイ素( シリコン ) その他がアルミニウム、鉄、カルシウムなどが比較的多い元素です。

私達の体は…65%が酸素、18%が炭素、10%が水素 その他が7%です。

空気の成分の78%が窒素で、21%は酸素 その他が1% 海水質量の86%は酸素。ちなみに、鉄1kgをつくるのに鉱石などが約8kg、銅1kgに360kg、ゲルマニウムだと32t 金は1100tの材料が必要だと。

…さまざまな元素の働きを研究するところの中、今、話題のレイ・アースを人工で作るため研究するところを見学しました。

まず、原子の構造をレーザー光を用いた顕微鏡で200万倍にした原子を星の輝きのような点々を見て息を飲みました。あぁ…と…私達の根源に触れる思いをしたのでした。

いつか必ず人工のレイ・アースができると研究者達は、輝く目で説明され、今の中国の態度が変る時が来るのではないかと思ったところでした。

次の見学は、セシウムを吸着するナノ物質研究所を訪ねました。ここはエジプトの研究者、博士達が3.11以後の必要性に応じる為、帰国から戻り実現化のため、知恵を世界の研究者達と競い合っている説明と、実験を見せて頂きました。それはセシウムを吸着させたことがわかる色の変化を見せて頂き、驚きました。難しい構造はわからずとも色で説明されると納得がいきました。

又、絵具などに使う青い顔料、1704年にベルリンで偶然につくられ、日本では伊藤若冲が初めて使ったといわれる、このきれいな顔料が、セシウムの吸着剤として注目されていると聞き、ホッとしたところでした。

この日、最後の見学所は、クリープ( 管に一定の圧力や熱が物体を変形させる )試験機でした。弱い力でも高温で長時間かけ続けると材料は壊れてしまう。このクリープ現象を調べるために金属を一定の温度と負荷の下で、長時間にわたり引っ張り続け、切れるまでのひずみを記録する試験を行っているところで、私は息を飲む程面白さを感じました。

それは、我が社の大釜の寿命や、関連部材の寿命をここで研究し使用していることに驚きを禁じ得ませんでした。そして建物や工場の備品などの交換時期の判断するヒントも得ました。

NIMSでの最長クリープ試験の期間は40年を超え、すなわち1960年頃からしていて、あらゆるクリープの寿命を算出し、現実に適用している国の根幹を成す研究機関でした。

ここでの研究と実験を通し、原子炉のクリープやあらゆる建築物、鉄道、橋、家…など、それに見合った材料を用いる根幹にふれ大きな学びを得ました。少々ものの見え方が広がる1日になり、そして、仲間達と筑波山麓にある385年の歴史ある江戸屋の旅館で懇親会を楽しみ、近況報告なども語り合って、日帰りの学園都市 筑波の見学会の帰路につきました。

農業研究所 表紙

 山にあった野菜の原種

キャベツ       キャベツ

トマト     トマト

レタス     レタス

じゃがいも     じゃがいも

農業から食卓まで

稲の品質改良

稲 交配による品質改良

ジーンバンク

放射線の利用