社長  閔 南淑のブログ ・ 温エネルギー記

2011.11.21

第27回 京都賞授賞式に参加して

 

2011.11.10 国立京都国際会館にて

【受賞者】
先端技術の材料科学分野
ジョン・ワーナー・カーン博士 (米国 材料科学者)

スピノーダル分解理論の構築による アロイ系(混合)材料工学への多大な貢献で。

アロイ(混合)材料に最適な物性や機能を発揮させるための組成ゆらぎは、
自由エネルギーに弾性歪みエネルギーを加えた スピノーダル分解に基づく
材料組織形成理論で 決定出来ることを 初めて提示し、
微細組織を定量的に取り扱う方法を提案されました。

この理論は、優れた物性や機能が求められる
金属、ガラス、半導体、高分子、耐熱材料、磁性材料などの
設計と製造に適用されています。
その基礎に カーン博士の理論が多大な貢献を果たした理由で受賞なされました。

【受賞者】
基礎科学部門 地球科学 宇宙科学分野
ラシッド・アリエヴィッチ・スニヤエフ博士 (ロシア・ドイツ 宇宙物理学者)

膨張宇宙を探索する 宇宙背景放射揺らぎ理論の提出と
高エネルギー天文学への多大な貢献で。

貢献理論は、1970年に論文で、熱い宇宙初期の水素再結合時に到る物理過程を考察し、
原始的な密度揺らぎによる音波振動の存在が 宇宙背景放射の強度揺らぎとして
観測されることを明らかになされました。

宇宙の膨張で温度が低下し、陽子と電子は水素原子に結合し、
熱放射は物質との作用が切れて 宇宙は晴れ上がり、
現在、当時の熱放射は宇宙背景として観測されている。

したがって、この宇宙背景放射には、原始的揺らぎと
その後に通過した時空の情報が刻印されている。

スニヤエフ博士らが予言した原始的揺らぎに伴うバイオン音波振動は、
2003年になって観測され、これによっても 加速膨張を発見するなど
宇宙モデルの決定に大きな役割を果たした。

私達の生命が創造されるため、137億年前の初めての宇宙の様子を
この方によって 触れることになり 宇宙認識は自己を知る最も美しい場面でした。
私達の生命の働きに、微粒子の熱放射の法則性が
スタートに立っていることを認識させられました。

【受賞者】
思想・芸術部門 映画・演劇分野
五代目 坂東 玉三郎 丈 (日本)

歌舞伎を中心に 舞台芸術の諸ジャンルの枠を超えて活躍する
華麗な美の創造者として。

この受賞に相応しいお姿は静かで美しく、華麗なる御声と仕草は修養なされ
己を練磨 研ぎ澄まされた方にのみ現れる清涼感で
出席者の心を鎮め 清めて頂く力を認識せずにはいられない雰囲気を
醸し出して下さり、私もそれを感じ入りました。

人間として 何が善いのか・・・
自由な精神を得、人間の本質を観ていた古代ギリシャの知恵ある方々が示した
『善にして美』を、見せて頂くような永遠なる一場面を、この方は観せて頂くようでした。

魂の奥深い面を その仕草と御声で 日本古来の人間性の 最も美しい 美の世界を
歌舞伎という舞台芸術を通して 永遠性の一場面一場面を表現なさると
ご本人も申されたように・・・。

日本人の美的な世界へ 集う私達にも触れさせ、
2人の西洋の受賞者との間に流れる東洋と西洋の美的な違いは
誰もが認識できる程、鮮明に感じ取られました。

それは、スニヤエフ博士が若い頃、
師より、銀河団の成長、放射線の力、高エネルギーの物理法則については、
まだまだ未知でミクロの世界を捉えることは難しいだろう。

しかし、“物理は実に美しい”と申され、ご本人がそれを捉え進化発展させ
本日、この場面にいらっしゃると申されたのと同じように『日本美』を、通して示されて下さいました。
この“物理は実る程、美しい”という捉え方と同じものを。

それは、古典の歌舞伎を通し、古代ギリシャの人達が理想の美を実らし、
今に残させ、私達にその理想を刺激するのと同じものを見せられるものでした。
ご本人の全てを通して・・・。
そして、私達に、問題多き現実を一瞬でも脱皮させて頂く場面を 味合わせて下さるのでした。

私は、この方を通して、その方が記憶し身に着いたものが実り(言葉や仕草など)自然と溢れ、
私達に人間としての真・善・美として諭す場面を得たのでした。

これらは、私に置いて、最も喜ばしい場面の一つとなって
いつまでも胸に残ることになりました。

具体的内容は、京都賞 授賞式のHPでご参照下さい。

京都賞の理念に触れ

『人のため、世のため 役立つことをなすことが、人間として 最高の行為である』

1984年 約200億円(H23年 正味財産697億円)で
人類の科学の発展 文明の発展 又 精神的な深化 高揚の面に
著しく貢献した人々に対し、京都賞を贈呈し、人類の進歩・発展に
いささかでも貢献したいと思う 稲盛和夫創設者の理念にふれ
私の精神も同感の感激で 胸が熱くなるのを感じるのを覚えます。

この賞を受賞される資格者は、京セラの方々が 今迄にやって来たと同じように
『謙虚にして人一倍の努力を払い、道を究める努力をし、己を知り、
そのため偉大なものに対し 敬虔(けいけん)なる心を持ち合わせる人』
で、なければなりません。

また、その業績が世界の文明・科学・精神的深化のために、
大いなる貢献をした人でなければなりません。

さらに その人は、自分の努力をした その結果が真に人類を幸せにすることを
願っていた人でなければなりません。

この京都賞を創設するについての 創設者の二つの大きな理念にふれ
私の魂は 目覚め これを書かし 認識させられるのでございますね。

その一つ目の 創設者ご自身の崇高な人生観である
この世に於ける 人類の最高の行為は
『人のため、世のために尽くす』 と、いうことであり、
今日まで創設者を育んでくださった 人類および世界のために
お返しをしたいという思いから このような貴い精神の故に生まれる証を
知恵のある方々の誰もが否定しようがあろうかを思う程でありますね。

その二つ目は、人知れず努力をしている研究者にとって
心から喜べる賞が 世の中にあまりに少ない中で この京都賞は、
少なくとも 人一倍努力をし 人類の科学・文明・精神的深化の面で
著しく貢献をした人を顕彰し 今後のますますの発展の刺激になることを
願うところから発するのにふれ 鳥肌が立つのを覚えずにはいられない思いとなるのでした。

今後、人類の未来は、科学の発展と人類の精神的深化のバランスがとれて
初めて安定したものになるであろうという確信から
このような偉大なものが生まれ、多くの英知の方々に希望と勇気を与え
明るさを灯すのを 目の当りにし 21世紀の 今日の英知を称え 楽しむ最高の喜びの
27回の授賞式参加となりました。

この異国の私を このような場面に導き 私の長年の細やかながらの努力に対し
人類の英知の生気ある場面にふれさせられることは 今生の喜びであり
私の役割の未来の建設に 多いに啓発されるものであります。

それは、我が社においては、
『キムチ』 人類が生み出した 唯一無二の 最高の発酵食品の普及に当り、
『人のため、世のためになすことが 人間として最高の行為』
で、あるという信念と意志と勇気がなければ 難解な発酵食品の真理が
言葉としてならないことを意味し、その意味に啓発されたからであります。

また、我が社に授かっている 『温エネルギー研究会』を 日本全土へ広める運動を
この授賞式参加で確信を得たものでもありました。

それは、人のため、世のためになすことが、人間として最高の行為である思想が、
私達の温エネルギー研究会のテーマでもあった故に、それを重ね合わせながら・・・。
信念と意志と勇気を強めたから・・・。 で、あります。

自分達の器量に合わせたものの中に、一歩一歩 この貴い思想が
私達を支え、励まし、導きなされることを 多いに楽しみながら
実践しようと思ったのであります。
それも、有難く・・・。
その場を得られたことを思いながら・・・。感謝を込めてでございます。

2011.11.22 本社会議にて 社長ブログを通して経営を学ぶ
資料として 石毛課長朗読・全員で認識し合う。 (6人参加)